第3回 人生を変えた幻獣ムベンベ探し

 前回、ムベンベは湖ではなく、川にいるかもしれないと聞いたからで、これは1人で行きました。まあ、どうしても見つけたいというより、自分を納得させたかったのだと思います。

 でも、行ってみると、謎の生物が棲んでいるような川でもないんですよ、これが。ただ、新たにわかったことがありました。「モケーレ・ムベンベ」と呼ばれる謎の生きものは、ボミタバ族という民族が住むエリアにしか目撃譚がないということです。

 この地域には、たくさんの民族がモザイク状に住んでいるのですが、ボミタバ族の村に入るとムベンベの話が出る。しかし、1歩出て、1キロ離れた別の民族の村に行くと「知らない。ボミタバ族に聞け」というんです。

 ムベンベが、ボミタバ族のファンタジーだとまではいいませんが、この民族の文化背景と強い関係があるのではないかとは考えられますね。

 結局、それも再訪したからわかったことです。前回は、ムベンベに出会えなかったし、どういうものかもよくわからなかったのですが、そこまでわかって、自分のなかの「ムベンベ探し」が一段落したわけです。

――この一冊が、高野さんを作家へと導いたのですね。