第3回 人生を変えた幻獣ムベンベ探し

――このムベンベは正体不明、幻の巨大獣。ムベンベ探しの場所はコンゴ共和国北部の密林のなかで、行くのも大変ですが、現地でかなりの窮地に陥っていますよね。

 皆、よく生きて帰ってこれたものです。あのとき、誰か一人が死んでいたら、僕はこうしてのうのうと生きていられない。

――ガイドやポーターとはしょっちゅう揉める。隊員は疲労困憊し、病人は出るわ、食料は尽きるわ。しかも、幻獣は一向に現れない。なのに、36日間も現地のテレ湖に留まった。どういう心境だったのですか。

 現地にいると皆、必死なんですよ。夢中になっているというほうが適切かな。

 トラブルがあるからといって、探検が嫌になった、引き上げようという気持ちにはならないんです。もちろん、トラブルを楽しんでいるわけではないですよ。でも、トラブルは何とか解決できるとは思っていますね。

 今もそうですが、僕がやっているのは障害物競走のようなものです。嫌なことがあっても、その障害を越えていくことにおもしろ味を感じるのだと思います。障害をうまく乗り越えられたときは爽快ですよ。それで、1歩目的に近づけるわけですからね。

――『幻獣ムベンベを追え』を書いた翌年に、現地を再訪していますね。どうしてもムベンベを見つけたかったのですか。

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