第3回 人生を変えた幻獣ムベンベ探し

――高野さんのデビュー作は、早稲田大学で探検部時代に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社)。その冒頭でも、ソマリランドに行ったときと同じように「行ってみなければわからない」というようなことが書かれています。

 著書でしょっちゅう同じことを書いています。いつも、気になることがあると、そういう気持ちになる。そういう気持ちになったからこそ出かけて行くという感じです。

――大学に入る前から、探検に興味があったのですか。

 とくに強い興味があったわけではないですけれど、実はテレビで見た「川口浩探検隊」にちょっと憧れて。

――俳優の川口浩が謎を解くために、さまざまな探検をする番組で、大ヒットしましたが、フィクションだったことも話題になりましたね。

 フィクションだと知ってがっかりしましたが、探検部に入った後なので、後戻りができなかった。だったら、俺は本当のことをやってやろうと思ってはいましたけれど。

 僕らの世代は、誰でも子どものころ冒険ごっこ、探検ごっこをやっていましたよね。秘密基地をつくったり、防空壕に入ってみたり。でも、大人になると皆、それをやめてしまう。僕はそれがやめられなくなった。というか、探検部に入ったがゆえに、本格的にやりたいと思うようになったというところでしょうか。

ムベンベのいるテレ湖へ出発する直前、村で受けた儀式(写真=高野秀行)(写真クリックで拡大)