第2回 辺境の日常を伝える意味

――高野さんは、昨年もソマリランドに行っていますね。

 もう、何か行きつけの酒場ならぬ行きつけの国のようになっちゃって。

 取材を通じて現地に知り合いができて、メールやフェイスブックで毎日やりとりしていますし。ソマリランドは、僕のライフワークになるテーマだと思うので、定期的に行こうと思っています。

――ソマリランドに初めて行ったのは2009年。その後、2011年にソマリアを再訪して、ソマリランドと対立関係にある海賊王国のプントランドと戦国状態の南部ソマリアを取材しています。

 1度目にはソマリランドしか見ていなかったのですが、それだけではいかにソマリランドの平和が奇跡的なことなのかが伝わらないと思ったからです。ソマリランド以外のソマリアが、どんな状況にあるのか、資料や人の話で補っても、説得力を持たないですからね。

ソマリア最高峰シンビリス山の山頂にて(写真=高野秀行)