第1回 超速とカート宴会の国
――ソマリランド、受賞作を読んで、すごい国があったものだと思いました。
すごいでしょう。 ソマリアはおよそ20年も無政府状態が続いている国で、ソマリランドはそのなかにあって、自ら武装解除して平和を保っている民主主義国家です。
もっとも国際社会では認められていませんから、自称独立国ですけれど。
――ソマリランドのことは、何で知ったのですか。
吉田一郎さんの著書『国マニア』(※1)です。読んだのは5~6年前でしたかね。
ソマリアは内戦がひどくて、絶対に行けないところと、アフリカ通にも認識されている国なんです。ですから、そういう平和国家の存在は信じ難いものがありました。
未知の生物じゃあるまいし、誰にも知られずにそういう国家が存在し得るのかと。