File8 巨大探査船「ちきゅう」を動かす3人の男
第4回 男たちは何故、ちきゅうに乗るのか
最後に、今回の取材で最も高い場所まで上がらせてもらうことにする。ヘリデッキだ。なぜちきゅうにヘリポートがあるのか。それは、スタッフを迎え入れ、送り出すためだ。研究者は、掘削の現場に着く頃に、ヘリでやってくる。
技術者は、12時間交替で4週間勤務したら、陸上で休暇を取ることになっている。このときの送迎にも、ヘリが使われる。
物資の受け入れは、ボートで行う。消耗品、足りなくなったものなどは、陸から船で、ちきゅうまで運ばれるのだ。
男は何故、ちきゅうに乗るのか
そのヘリポートに上ってもいいと許可を得たので、ふたたび作業服を着て、階段を上がる。
もうすぐヘリポート、という通路の脇に、「OSI Operation Room」と書かれた部屋があった。これが、船上代表・澤田郁郎さんの言っていた執務室。ペントハウスのロイヤルスイートだ。確かに、見晴らしのいい場所にある、広めの部屋だ。
ご本人の許可を得て、中を覗く。
「えっ、写真撮るの? 片付けが……」
さっと撮影を済ませ、さあ、ヘリデッキへ参りましょう。
階段をあがってデッキに立つと、とたんに視界が開けた。素晴らしい解放感。
あれ、この雰囲気、どこかで見たことがある。たしか、テレビのCMで。
「T須クリニック?」
イエス、T須クリニック! さすが広報担当者、ご明察。(注・そのCMはちきゅうで撮影されたものではありません)
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