File8 巨大探査船「ちきゅう」を動かす3人の男

第4回 男たちは何故、ちきゅうに乗るのか

 ちきゅうは船ではあるけれど、一か所で掘り始めたらずっとそこに居続けるので、景色が変わらない。どうしても退屈になりがちだ。

 そこで、レクリエーションだ。船内にはジムもビデオルームといった設備も、こじんまりとではあるが整っていて、紹介済みの卓球台のほか、テレビゲームもある。テレビゲームは、JAMSTECの有志がお金を出し合って買ったものだという。そうやって、気分転換を図っているのだ。

ケーキも食べ放題(写真クリックで拡大)

 もちろん、食事もそのひとつ。
 壁際の冷蔵ケースには、ケーキもまた複数の種類が収められていて、ナショジオ編集部Y尾、および日経ビジネスオンラインからやってきたY瀬が眈々と狙っている。
 ライターK瀬は辛党なので、これは遠慮。
 ところで、今日はだいぶ汗もかいたので、ビールなどおいしく飲めそうですが。

「アルコールは禁止なんです」

 その理由は、ちきゅうも「もっとも危険な船」、掘削船の一種だからだ。世界の掘削船は、事故を防ぐため、どの船もノンアルコールだという。

「ノンアルコールビールも禁止です」

 えっ。なぜ?

「紛らわしいから」

 安全第一。
 この船で唯一、アルコールが許されるのは、操舵室に祀られている金毘羅さんだけだ。

だからコーラで乾杯(提供:JAMSTEC/IODP)(写真クリックで拡大)