File8 巨大探査船「ちきゅう」を動かす3人の男

第4回 男たちは何故、ちきゅうに乗るのか

 澤田さんは、掘削船を「世界で最も危険な船」という。重くて長いパイプの操作は、ドリラーズハウスから行うが、そのときも必ず、屋外には人がいて、そこでも作業が行われている。少しの無理が大きな事故に繋がりかねない。実際に、石油の掘削船では犠牲者も出ているという。
 それをよく知っている澤田・猿橋両船上代表は、絶対に無理はしない。しかし「研究者の喜ぶ顔も見たいから」、危険がないと判断している間は、リクエストに応えてしまうのだ。

 澤田さんと猿橋さんがちきゅうに乗るようになったのは2005年で、江口さんは2007年。
 ほかのスタッフも、ちきゅうがJAMSTECに引き渡された2005年までは、別々のところで別々の仕事をしていた。石油掘削の最前線出身者もいれば、研究者もいて、最初は意思の疎通にも苦労したという。
 しかし今は違う。それには、毎朝のミーティングでは必ず何かジョークを言うという、江口お母さんの力もさぞかしい大きいに違いない。

「ではそろそろ、ランチに行きましょうか」

 待ってました! 実は、ちきゅうで出される食事はたいそうおいしいと伺ってきました。なんでも、ちきゅうの司厨長の方は、豪華客船飛鳥の元料理長という経歴の持ち主なのだ。

食事はビュッフェ形式(写真クリックで拡大)