第4回 福島で露呈した「系統接続」という再エネ普及の大問題

 こうした系統接続における課題は福島県だけではなく様々な地域から聞かれる。

 再エネ普及の課題は系統接続だけではないが、これを無視しては通れない。

 今回成立した「電気事業法の一部を改正する法律案」がこうした系統接続の問題に対してきちんと効果を発揮できるか、今後注意深く見守る必要がある。

 さらに、「電気事業法の一部を改正する法律案」ではどのようにして再エネの電力変動に対応するのかなど、電力システムの技術的な姿が具体的に示されていない。

 法成立は電気事業の大枠の制度設計がなされたことを意味するが、制度に基づいて実際に電力の需給調整や電力変動対応を行うにはそれを可能にする技術的なシステム設計も必要だ。

 電力システムの改革においては制度設計と技術的なシステム設計は表裏一体で切り離すことは出来ない。今後は電力システムの技術面が具体的にどのようになるのかもしっかり見守る必要がある。

つづく

平沼光(ひらぬま ひかる)

1966年、東京都生まれ。東京財団研究員・政策プロデューサー。1990年、明治大学経営学部卒業後、日産自動車株式会社を経て、2000年、東京財団に入団。政策研究部で外交・安全保障、資源エネルギー分野のプロジェクトを担当。内閣府 日本学術会議 東日本大震災復興支援委員会 エネルギー供給問題検討分科会の委員も務める。JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の地球深部探査船「ちきゅう」による世界初のメタンハイドレート海洋産出試験に際し、Webナショジオでは「世界初の快挙なるか! メタンハイドレート海洋産出試験」を連載。『日本は世界1位の金属資源大国』 (講談社+α新書)『日本は世界一の環境エネルギー大国』(講談社+α新書)『原発とレアアース』(共著、日本経済新聞出版社)などの著書がある。