世界中から人々が集まり、新しいものを生みだすエネルギーに満ちた都市は、旅先としても魅力的です。世界に数ある魅力的な都市のうち、今、いちばん人々を惹きつける都市はどこなのでしょう。指標はいろいろありますが、今回参考にしたのは、森記念財団が毎年、経済や研究・開発、文化・交流など6分野の総合力で評価している「世界の都市総合力ランキング」。その栄えあるベスト5に選ばれた世界の巨大都市を、1位から順に紹介します!

1. ロンドン(英国)

ロンドン中心部を流れるテムズ川にかかるタワー・ブリッジは、工学技術の傑作。ロンドン観光の拠点でもある。
写真:Luciano Mortula/Shutterstock(写真クリックで拡大)

 いつも古くて新しい街、ロンドン。古代ローマ人が1世紀に、現在のセント・ポール大聖堂の近くでテムズ川に橋をかけ、「ロンディニウム」という集落を建設したことから、その繁栄が始まりました。過去の遺産を守りつつ、さまざまな変化を受け入れてきたことが、ロンドンの最大の魅力です。

 例えば、かつて貧しい地区だったノッティング・ヒルは、今ではしゃれたブティックが並ぶ高級住宅地。しかし、ここで今も開催されている青果市や骨董市は、無骨で庶民的な空気を失っていません。また、20世紀初頭には世界でいちばんにぎやかだったテムズ川沿いの桟橋(ドック)は、1980年代にはすべて放棄され、荒れ果ててしまいましたが、東部のドックランズ地区は再生され、かつての発電所が美術館になるなど、新たな姿に生まれ変わっています。2000年にオープンした大観覧車ロンドン・アイに乗って、変わりつづけるロンドンの姿を楽しみましょう。

2. ニューヨーク(米国ニューヨーク州)

24時間眠らない街ニューヨークにあるセントラル・パークは、住民にとっても観光客にとっても、最高の憩いの場だ。
写真:Ilja Masik/Shutterstock(写真クリックで拡大)

 米国最大の都市、ニューヨーク。24時間眠らないこの街は、めまぐるしいスピード、華やかな夜、静かな朝、ブロードウエーのきらめき、保守的なウォール街といったものすべてからできています。おそらく世界のどの都市よりも、好き嫌いがはっきりと分かれる街でしょう。

 そんなニューヨークですが、意外にも緑は豊富。最大の憩いの場は、南北4キロ、東西0.8キロの広さをもつ、セントラル・パークです。101ヘクタールの芝生、55ヘクタールの森があり、絶好の野鳥観察スポットとしても知られています。また、2009年6月にオープンした空中庭園「ハイライン」もおすすめ。取り壊し予定の古い高架貨物線跡を再利用した最新スポットです。地元の人々に混じって歩き、庭園やベンチ、芸術作品やハドソン川を見渡せば、この街の住民になった気分を味わえます。

3. パリ(フランス)

パリの象徴の一つであるメトロ(地下鉄)には、芸術の都にふさわしく、ユニークな外観の駅がたくさんある。
写真:Stephen L. Alvarez/National Geographic Creative(写真クリックで拡大)

 洗練された高級ファッション、一流の芸術と建築、極上のレストラン、自由な空気が漂うカフェがそろった光の都パリは、世界一美しい街とも呼ばれています。この街の名所といえば、凱旋門や、ルーブル美術館に収められた世界最高の芸術作品、ノートルダム大聖堂の見事なゴシック建築。でも、パリのひと味違った一面を見たいなら、通りをそぞろ歩いてみるのがおすすめです。メトロ(地下鉄)を使って街に繰り出し、パティスリー(洋菓子店)や、のみの市に足を運んでみましょう。

 おすすめのパティスリーは、8区にあるマカロンで有名なラデュレ、7区にあるラ・パティスリー・デ・レーブ、2区にあるストレー。のみの市なら、骨董、服、美術品などを扱う店が2000軒以上立ち並ぶサン・トゥアンや、小物や家具、服が中心のモントルイユ、古い玩具や絵画を扱うバンブが必見です。

4. 東京

東京を代表する繁華街の一つ、新宿は、にぎやかなショッピング街であると同時に、活気あふれるビジネスの中心地でもある。
写真:Stefano Cellai/SIME(写真クリックで拡大)

 日本最大の都市、東京。超高層ビルが林立する、現代的な消費文化を体現する街に、年に一度の花見に誰もが夢中になるといった伝統が今なお根強く息づいていることは、外国の人々の目には新鮮に映るようです。最近は、外国からの観光客や東京に暮らす外国の人々も増えていますから、東京のどんなところが面白いのか、彼らに聞いてみるのも楽しそうですね。

5. シンガポール

都会の大胆さと植民地風の魅力が絶妙にブレンドされたシンガポール。毎年6月開催のリバー・フェスティバルでは、素晴らしいショーが水辺を彩る。
写真:Lawrence Wee/Shutterstock(写真クリックで拡大)

 マレー半島の先端に位置する都市国家、シンガポール。古くから海上交易の要衝でしたが、19世紀初頭に英国が植民地を建設して以来、一気に繁栄しました。55階建てのビル3棟の上に船を載せたような形をしたマリーナ・ベイ・サンズなど、洗練された高層ビル群を見るなら、シンガポール川の埠頭を巡る水上ツアーがおすすめ。最先端の姿を堪能した後は、チャイナタウンやリトル・インディア、アラブストリートなど、多民族国家を象徴する地区にも足を運びましょう。街をよく観察すれば、この街が原動力としてきたアジアの経済と文化が、今も息づいていることを体感できるはずです。

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