ムーンプール。船の真ん中に穴が開いている(写真クリックで拡大)

 このプール、ムーンプールと呼ばれる施設はなんのためにあるかというと、たとえば、ムーンプールのすぐ脇に控えている、通称BOPなどを海の中へと下ろすためだ。

海底下と海中のパイプをつなぐ噴出防止装置(BOP)(写真クリックで拡大)

 前回、ドリルパイプの外側は、海中ではライザーパイプ、海底下ではケーシングパイプが覆っているとざっくりとした説明をしたが、そのつなぎ目の海底部分には、このBOPが設置される。ケーシングパイプの上に乗せ、固定するイメージだ。

 ではそのBOPとは何かというと、噴出防止装置。高さ14.5メートル×縦5.9メートル×横5.2メートル、重さ380トンのビッグサイズで何の噴出を防止するのかというと、掘り当てた石油やガスだ。つながっているパイプの中を、石油やガスが逆流したら、大事故につながる。このときは、BOPの弁を閉めなくてはならない。

 2010年にメキシコ湾で起きた原油の流出事故で、被害が拡大したのには、このBOPの不具合にも一因があるそうだ。

緊急離脱

 いざというときに閉じるBOPの5重もある弁は、地下から噴出しようとするガスを1000気圧まで防げるようにできている。
 そのBOPを「世界一のコネクタですよ」と話す猿橋さんには、こんな経験がある。
 2012月11月、和歌山県新宮沖の南海トラフで調査をしていたときだ。上空を、寒冷前線が通過した。あっという間に風向きが変わり、船体がコントロールできなくなった。

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