エピペローラ・ペルーダの幼虫(鱗翅目:イラガ科)
A slug caterpillar, Epiperola peluda
体長: 約12 mm 撮影地:ティララン、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 象形文字のような模様が印象的なこの生きものも、蛾の幼虫。
 枝をくるむように体を細くして動いている。イラガの仲間だけれど、トゲトゲの毒針はない。緑色の甲羅のようなボティは、厚めのビニールみたいでしなやかだ。

 先に紹介したダルセライラガの分泌されたゼリー部のように離脱させることはできない。ちなみに頭は左側の「ビニール甲羅」の下に隠れている。

タリマ・ベケリの幼虫(鱗翅目:イラガ科)
A slug caterpillar, Talima beckeri
体長: 約15 mm 撮影地:グアジャボ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 こちらは一転して、いかにも刺されると痛そうなイラガの幼虫。針の生えた飛び出た部分は透明になっている。表皮の中の粘液のようなものが見えているということを専門家の方に教わった。下は全体像。

 さて、最後はこれ(↓)。体内が透けて見える。

透明なクロキノコバエの幼虫
A translucent sciarid fly larva
撮影地:セロ・デ・ラ・ムエルテ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 クロキノコバエの幼虫は白っぽい半透明のものが多いが、これは特に透明感がある。Bradisiaという属の終齢幼虫で、生きたシダの葉を食べる珍しい種。体内の茶色い部分は内蔵で、白いのは脂肪細胞が集まった部分(脂肪体)だ。

11月18日放送のNHK BSプレミアム「ワイルドライフ」で、コスタリカの擬態昆虫が特集されます。西田賢司さんも登場されますので、ぜひみなさまご覧くださいませ!
NHK BSプレミアム「ワイルドライフ」
擬態昆虫大集合 驚きの変身術を見た
11月18日(月) 夜8:00~8:59

天敵ひしめくコスタリカの熱帯の森を、驚きの変身術で生き抜く擬態昆虫たち。植物や生き物、はては虫のフンにまで姿を変えたモノマネ名人のツノゼミをはじめ、奇想天外な擬態昆虫が大集合します。

西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html

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