何ごとも、まず熱意を持ってのぞみ、そこからいろいろな方法を学びとることが大事だと思っています。それと、オファーを受けたテーマの中身を熟知することです。それなくしては、最善を尽くすこともできません。

――撮影ではテーマ、被写体について熟知することが大切と言われましたが、それは事前調査を綿密にするということですか。

 そうです。テーマと被写体について、貯めこめるだけの知識を蓄えて、現地に赴きます。現地では、その知識を一旦すべて捨て去り、現地の事情に合わせて動くようにします。知識が行動の邪魔をすることがありますからね。

 重要なのは、良い入り口を見出し、被写体へアプローチする道筋をつけることです。

――具体的にはどのようにアプローチするのですか。

 砂漠の空撮を始める前に『ナショナル ジオグラフィック』で担当した特集に「樹上50mに暮らす森の民」(1996年2月号)があります。

 パプアニューギニアの奥地に住む先住民の生活がテーマです。近代文明との接触がない部族ですから、彼らに会うにはまず、彼らの言語を話せる人を見つけなければなりません。それに、彼らの生活様式や信仰、文化などを民俗学的に理解する必要もありました。私は、この部族の民俗学的な調査を最初にした人物を探し当て、協力を仰ぎました。次にしたのは、一族の系図を知ることでした。

スタインメッツ氏が樹上家屋に暮らすコンバイ族とコロワイ族を撮影した「樹上50mに暮らす森の民」(1996年2月号)

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