第2回 アフリカが私を写真家にした

――しかし、名門校を卒業して写真家になるというのは、相当な覚悟を要したのではないですか。

 いいえ、そうしたかっただけです(笑)。
 ただ、20代前半の駆け出し写真家ですから、仕事はないし、お金もない。アフリカで撮りためた写真は、まったく売れない。親からは「もっとまっとうな仕事に就け」と圧力をかけられる。『ナショナル ジオグラフィック』の写真家になりたいという夢はありましたが、どうしていいのかわからない。不安だらけでしたよ。

 しかし、そうした不安を抱えながら、いろいろなことにチャレンジしたその時期が、自分にとって大切だったのだと、今にして思えます。そのときには気づかないのですが。

 アフリカの旅にしても、そのときは自分がどちらを向いて、何をしようとしているのかよくわかってはいませんでした。けれども、地に足をつけて各地を歩き、人と会い、話をした経験が、今の私につながっているわけですからね。

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(つづく)

ジョージ・スタインメッツ(George Steinmetz)

1957年、米国カリフォルニア州生まれ。スタンフォード大学で地球物理学の学位を取得。モーター付きのパラグライダーを使い、世界各地を空から撮影している。数多くのナショナル ジオグラフィックの特集を担当。2013年では9月号に「加速する海面上昇」、2月号に「歴史を取り戻すリビア」が掲載された。写真家ジョージ・スタインメッツを紹介するページはこちら


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。