スタインメッツ氏が初めて砂漠を空撮した特集記事は「サハラ砂漠6000キロの旅」(1999年3月号)

――初めてのモーターパラグライダーでの空撮は、どうだったのですか。

 恐かったですよ。落ちて死ぬんじゃないかとハラハラでした。でも、とにかく死ぬ前に、写真だけは撮っておこうと。

 しかし、不思議なもので、撮影を始めると気持ちが落ち着いて恐くなくなるんです。高所恐怖症が治りますよ(笑)。実際に墜落したこともありました。ゴビ砂漠の撮影で中国に行ったときです。木に激突して17針も縫う大怪我をしました。足が大丈夫だったので、翌日には砂漠の上を飛んでいましたけれど。

――スタインメッツさんはサハラを皮切りに、15年にわたって世界の砂漠を撮り続けたわけですが、やはり最初のフライトが印象的だったのですか。

 そうです。これで写真家としての私の可能性が、大きく広がったと感じました。この方法で、ゴビやタクラマカン、ナミブなど、世界の砂漠を撮れたらどんなにおもしろいだろうと。

 それに、砂漠は荒れ果てたところと多くの人は思っていますが、私には美しい場所に思えました。飛んでいると地球以外のどこかの惑星にいるような感覚さえありました。最初のフライトで、たちどころに砂漠の空撮に魅せられました。

この連載の次の
記事を見る