――砂漠を空から撮ろうと思われたのは、どういうところからですか。

 砂漠に関心を持ったのは、ひとつには1920~30年代にリビア砂漠を自動車で旅した英国の陸軍将校、ラルフ・バグノルドの著書がきっかけでした。

 そこでは、砂漠に連なるバルハンと呼ばれる三日月形の砂丘が、まるで生きもののように描かれていました。バルハンは移動し、増殖し、形を保ち、環境に適応すると。その生きもののような砂丘の姿をとらえるには、空から撮るしかないだろうと思いました。

 もうひとつの理由は、砂漠に暮らす人々の生活です。
私は、大学生時代に1年間、卒業してから1年半、アフリカをヒッチハイクで旅しました。プロの写真家になってからも、西アフリカをヒッチハイクで旅していますが、そのときに立ち寄ったモーリタニアの首都、ヌアクショットが印象的でした。

 モーリタニアは1960年代に独立した国ですが、そのころの首都の人口は2 万人にも満たない程度でした。その後、急速に人口が増えて、私が訪ねたころは、全人口の半分が首都とその周辺に群がるように暮らしていました。砂漠の中の都市にアリのように群がる人々の様子は、空から見ないとわからないのではないかと思ったのです。

スタインメッツ氏が文・写真を担当した特集「砂の波 美しき造形」(2012年11月号)(画像クリックで特集ページへ。フォトギャラリーはこちら)

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