第98回 心温まるメキシコのガイコツ菓子

 10月31日はハロウィン。仮装をしたり、お菓子をもらったり(大人のメレンダもチョコレートをゲット)、オレンジと紫色に彩られたこのお祭りを読者のみなさんも存分に楽しんだのでは? 

 さて、ハロウィンはアメリカで盛大に行われるお祭り。実はその隣国メキシコ(メキシコ合衆国)では、その翌日から祝祭が始まる。11月1日と2日の「ディア・デ・ロス・ムエルトス」――死者の日だ。これは、亡くなった人たちの魂が家族の元を訪れる日で、いわばメキシコ版お盆。1日は亡くなった子どもの魂が、2日は大人の魂が帰る日とされている。

 そこで、東京・中目黒の「メキシカン居酒屋BINX(ビンクス)」の料理長を務めるローサ・アメリア・ナランホ・ローブレスさんに、この祝祭にまつわるお菓子の話をうかがった。ローサさんはメキシコの首都メキシコ・シティ出身。彼女の長い名前に驚いたが、これはメキシコでは父方と母方、両方の苗字を連ねるため。つまり、ローサ・アメリアが名前、ナランホが父方、ローブレスが母方の苗字なのだ。

 お菓子の話に戻ろう。
死者の日には、メキシコの街はオレンジ色に彩られる。でも、このオレンジ色はカボチャではない。中米を原産地の一つとするマリゴールドの花が街中にあふれるのだ。死者を迎えるために、墓地や家の中に祭壇(オフレンダ)が設けられるのだが、そこを飾るのがこの花。そして、祭壇に供えられるお菓子が「カラベラス・デ・アスカル」(砂糖の骸骨の意味)、名前の通り砂糖で作った骸骨だ。カラベラスはお供えとなるだけでなく、贈り物にもなるのだそう。

メキシコでは死者の日に向け、マリゴールドの花で飾られた祭壇が作られる。お供えは、故人が好きだった食べ物や、コーヒー、タバコなどのし好品。メキシコ・シティのような都会では必ずしも家の中に祭壇を設けず、家族でお墓にお参りに行ったり、教会に行ったりして死者への祈りのときを過ごすそう。(C)CPTM: Photo / Ricardo Espinosa-reo