第97回 ポルトガルから来た日本の「国民的」お菓子

 お菓子を買おうと思えば、羊羹や大福は和菓子屋へ、ケーキは洋菓子屋へと足を運ぶもの。でも、海外に起源を持つお菓子なのに和菓子屋に並ぶ大定番お菓子がある。カステラだ。日本の「国民食」といわれるものの中には、カレーライスのようにやはり海外に起源を持つものがあるけれど、ヨーロッパに起源を持つカステラも今や「国民的」なお菓子と言っていいだろう。

 カステラは、15~16世紀にヨーロッパより日本にもたらされたといわれているが、起源とされるお菓子には諸説ある。例えば大航海時代、船乗りたちが保存食として重宝していたというスペインの「ビスコチョ」。これは2度焼きしたパンのようなものだったとか。そしてもう一つが「パォン・デ・ロー」(パォンはパンの意味)。ポルトガル(ポルトガル共和国)の代表的な伝統菓子だ。

 このお菓子が食べられる店がある。東京・四ツ谷のポルトガル料理店「マヌエル カーザ・デ・ファド」(以下「マヌエル四ツ谷」)。ポルトガル出身で、結婚を機にかつてポルトガル領であったマカオに移住、同地で人気店を経営するシェフであるマヌエル・ペナさんが料理を監修している店だ。マヌエルさんは海外在住のため、今回はメールで話をうかがった。

 実はここで出されるパォン・デ・ローは、半生タイプ。しっかりしたケーキタイプの日本のカステラとはまるで異なる。マヌエルさんによれば、このお菓子は基本的に生地がしっかりしたものと半生タイプに分かれるのだという。しっかりとした生地のパォン・デ・ローでも、日本のカステラより軟らかく、しっとりとしているそうだ。ちなみにマヌエルさんは「日本のカステラも好きですよ」とのこと。