第10回 パラグアイの子供が最初に覚える料理とは

 「たぶん、心のどこかで反発していたんです。生まれ育ったのは日本だから。でも店を手伝うようになって気持ちがかわった。そこで料理の勉強も兼ねてパラグアイに行ったんです。そうしたら空港に降り立った瞬間、なぜか涙が出て止まらなかった。初めて来たとは思えない懐かしさを感じたんです」。このとき、貴雄さんはパラグアイへの郷土愛を自覚したという。

 二人で店を切り盛りしているため、「接客が忙しくて、料理の腕がなかなか上達しない」と苦笑いしながらも、いつかは跡を継ぎたいと貴雄さんは語る。「それなら次は、貴雄さんがつくったチパやソパを食べにきますよ」と、「かあちゃんの味」を受け継ぐ日を楽しみに店を後にした。

2013年3月にオープンしたばかりのユウキレストラン。店内は空き店舗を家族みんなで改装したそうだ。店名は貴雄さんの小学生の弟・友貴くんの名前が由来

ユウキレストラン
千葉県松戸市仲井町3-111-102 高橋ビル 1F
電話:047-701-5811

中川明紀(なかがわ あき)

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。何事も経験がモットーで暇さえあれば国内外を歩いて回る。思い出の味はスリランカで現地の友人と出かけたピクニックのお弁当とおばあちゃんのお雑煮