第61話 死という運命を、共にできるか?

「わー放れた、ラッキー!」
「こんな夜になってから走るなんて、やだよ~」
「そうだよ。だって夜だよ。寝る時間だよ」
「帰って、寝よ」
「そうしよう」

 といった感じで、カーメルもスタンピーも寝床に戻ってきたのだった。

 なんだ…。

 橇犬たちの賢さやタフさに惚れ込んでいた私にとっては、ちょっぴり拍子抜けする事実だけれど、これが私だったら、私も帰って寝ることを選ぶだろうな、と笑ってしまった。

 犬も人間と一緒。頑張るときもあれば、怠けたいときもある。

 そんなことを考えていると、トーニャが、私の期待していた答えを察したのか、 
「この森の中で、助けを求めるために犬を放すことは、絶対にないわ」と言った。

 そんな言葉に、私はすぐにも返した。

「犬を放すのも、有効な手段じゃない?」

 犬たちには、人間よりも優れた嗅覚や帰巣本能がある。

 その可能性を信じてもいいのではないかと思ったのだった。

 ところがトーニャは、私の盲点を突くように、
「アラスカの森にはね、集団化した狼やコヨーテがいるから、橇犬たちが、1匹や2匹で行動するのはとても危険なことなのよ……」

 確かに、そうである。

 そして彼女は、再び言った。