第1回 「動物園」は福沢諭吉の誤訳だった?

 神奈川県横浜市旭区にある「よこはま動物園ズーラシア」は、1999年に開園した比較的新しい動物園だ。開園後も徐々に新しいエリアが増設され、現在は42.3ヘクタール、2014年度の全面開園後は53.3ヘクタールと、日本の水準では非常に広々とした動物園だ。

 日本ではじめて希少なオカピ(キリンの近縁種)を飼ったことでも有名だし、また、設立時から「横浜市繁殖センター」という非公開施設を併設したのも日本初。いや、それどころか、世界でも珍しい、特色ある動物園なのである。

 2011年、園長に就任した村田浩一さんは、日本大学生物資源科学部の教授でもある。獣医師であり、研究者としての専門領域は、野生動物医学、野生動物学。もともと神戸市立王子動物園に勤務してから、大学研究者のキャリアに転身、そして、今、ふたたび動物園に深くかかわっている。

ズーラシア園内にて。(写真クリックで拡大)

 動物園は、娯楽、レクリエーションの場として、非常に人気の高い場所だ。小さな子どもを連れた親子連れ、遠足の小学生、そしてデートスポットとして使う若いカップルなどなど、多くの社会的ニーズを満たしている。そこにいけば、普段会えない動物がいて、緑が多くてリラックスできて……というのを我々は当たり前のように感じている。でも、それは実は凄いことなのである。人間とともに生きるように品種改良されてきた犬猫や家畜ではなく、飼育が難しい野生動物を扱っているのだから。

 よこはま動物園の園長室を訪ね、まずは園内を散策しつつ、村田さんが語ったのは、「動物園学という学問の領域を確立すべき」ということだった。

本誌2013年10月号でも動物園にまつわる特集「[保護する/PROTECT]動物園はノアの箱舟」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。