面食らって、どぎまぎしているぼくを尻目に、ジムがウィルに話しかけました。
「じゃあ、明日から来させてもいいんだな?」
それを聞いたウィルは、「いつでもいい。小屋は空いてる」とだけ、簡潔に答えました。
そして、そのすぐあと、久しぶりに訪問してきたジムに見せたかったのか、「中を見ていかないか?」と城へ誘ったのです。
ふたりの後ろにくっついて丘を登っていくと、城の威容が頭上に迫ってきました。
基礎部分のコンクリートの壁の横に、裏口のような穴があいていて、仮のドアがつけられていました。
それを押して、薄暗い城の内部に入ると……そこは、建設途中の工事現場そのものでした。
壁も天井も床も、木の骨組みがむきだしで、内装がまだ全然終わっていなかったのです。