面食らって、どぎまぎしているぼくを尻目に、ジムがウィルに話しかけました。

「じゃあ、明日から来させてもいいんだな?」

 それを聞いたウィルは、「いつでもいい。小屋は空いてる」とだけ、簡潔に答えました。

 そして、そのすぐあと、久しぶりに訪問してきたジムに見せたかったのか、「中を見ていかないか?」と城へ誘ったのです。

1日の終わり。森と湖の向こうへと太陽が沈んでゆく。空は刻一刻とその色を変え、見ていて飽きることがない。(写真クリックで拡大)

 ふたりの後ろにくっついて丘を登っていくと、城の威容が頭上に迫ってきました。

 基礎部分のコンクリートの壁の横に、裏口のような穴があいていて、仮のドアがつけられていました。

 それを押して、薄暗い城の内部に入ると……そこは、建設途中の工事現場そのものでした。

 壁も天井も床も、木の骨組みがむきだしで、内装がまだ全然終わっていなかったのです。

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