バードクリフに集団で棲息するパフィン(写真クリックで拡大)

 この夏、スヴァールバル諸島はあいにくの悪天候続きでした。例年の夏ならば、ある程度天候が安定し、晴れることが多いのですが、なんと今年はほとんど霧か雨・・・。よくて曇り、でも風が強い・・・なんていう日ばかり。

 こうも天候が悪いと、人間ってやつは心が荒んでくるものです。限られた日数の中での調査計画を数人で協力して行うわけで、調査に出かけられない日が続くとみな焦り、日本の観測小屋の中は負のオーラで埋め尽くされ、人々は言葉少なになっていきます。逆に、そんな中で少しでも天候がよくなると、それはそれでもう大変。通称「白夜の魔力」で、早朝から深夜まで馬車馬のように働き続けることとなり、夜が来ない世界が持つアンビバレンスをいやがおうにも感じさせられるのでした。

 珍しく快晴が訪れた日、小屋から西に歩いて2~3時間ほどの位置にある、パフィンという派手顔の海鳥が集団で棲息するバードクリフと呼ばれる高さ250mほどの断崖絶壁を登りました。バードクリフ直下に生えている植物と、パフィンのフンと卵の殻を試料として持ち帰るためでした。

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