特別編 田邊優貴子「北緯79度なう! 前編」

 それにしても、なぜパイオニアの植物はパイオニアになれるのか?

 これが今回の調査の一番の目的です。
そのために、
◎ 植生の発達していないエリアと発達しているエリアでの環境の違い(温度、湿度、栄養、土壌など)
◎ それぞれのエリアで、植物にとって成長の基礎となる光合成がパイオニア種とそうでない種とでどのように異なるのか
を調べ、環境データと植物の光合成との関係から、種による光合成の違いを導く環境要因を見つけ、パイオニアになれるメカニズムを明らかにしたいと考えています。


「北緯79度なう! 後編」に続きます!

キョクアジサシ。田邊さんのように1年のうちに北極と南極を往来する(写真クリックで拡大)
渡辺佑基

渡辺佑基(わたなべ・ゆうき)

1978年、岐阜県生まれ。国立極地研究所生物圏研究グループ助教。世界の極地を飛び回り、データロガーを駆使して主に極域に生息する大型捕食動物の生理生態および種間比較を研究している。2011年「動物の泳ぐ速さを決めるサイズ効果を発見」(J. Anim. Ecol. 80, 57-68 (2011))が『Nature』の「News&Views」に紹介された。同年、学術分野全般で優れた実績を積み上げた人に贈られる山崎賞を受賞。

田邊優貴子

田邊優貴子(たなべ・ゆきこ)

1978年、青森市生まれ。2006年京都大学大学院博士課程退学後、2008年総合研究大学院大学博士課程修了。現在は、早稲田大学 高等研究所・助教。植物生理生態学者。博士(理学)。
小学生の頃から極北の地に憧れを抱き、大学4年生のときには真冬のアラスカ・ブルックス山脈麓のエスキモーの村で過ごした。それ以後もアラスカを訪れ、「人工の光合成システム」の研究者から、極地をフィールドにする研究者に転身する。
2007~2008年に第49次日本南極地域観測隊、2009~2010年に第51次隊に、2011~2012年に第53次隊に参加。2010年夏、2013年夏に北極・スバールバル諸島で野外調査を行うなど、極地を舞台に生態系の研究をしている。
ポプラビーチでエッセイ「すてきな 地球の果て」連載中
http://www.poplarbeech.com/chikyunohate/005708.html