特別編 田邊優貴子「北緯79度なう! 前編」

とても小さな木。キョクチヤナギ(写真クリックで拡大)
ムラサキユキノシタ(写真クリックで拡大)

 特に目立つパイオニアは、ムラサキユキノシタ(学名Saxifraga oppositifolia)という地面に這うように紫の花を咲かせる植物。次に目立つのが、ムラサキユキノシタほどではありませんが、キョクチヤナギ(学名Salix polaris)。真ん丸でツヤツヤ緑色の葉は直径5mm~1cm、背丈も数mm~1.5cm。これが本当にヤナギ?!木の仲間?!と信じられないほどとても小さいのですが、スヴァールバルのツンドラ生態系の中で一番ハバをきかせている優占種です。

 一方、これらに比べてパイオニアにはなれず、植生が発達したエリアで数多く生えている植物の中で、今回調査対象にしたのがArctic Mouse-ear(恐らく和名はつけられていませんが、和訳するとホッキョクミミナグサ?とでも言いましょうか。学名Cerastium arcticum)。ハート形の花びらが5枚並んだ真っ白な花が特徴的。そしてもう一つはタカネマンテマ(もしくはチョウチンマンテマ。学名Silene uralensis)。薄紫の提灯のように膨らんだ萼(がく)、その先端に取って付けたようにポンッと花が咲く、背丈が5cmほどのとってもキュートな植物です。

ハート形の花びらが5枚、ホッキョクミミナグサ(写真クリックで拡大)