第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ

第26回 ナショジオに登場したもうひとりの日本人冒険家

 本編に関してはそれらを読んでいただくとして、ここでは舟津さんの著書のなかから、なぜウィル・スティーガーが舟津さんを選んだのかという部分を引用してみます。これは舟津さんが直接聞いたわけではなく、マスコミへの回答でした。

「肉体的、精神的にきつい、人のいやがる岩割りやチェーンソーの仕事を、禅僧のごとく黙々とこなしていったその忍耐力、その誠実さに、彼なら国際隊の一員としてやってゆけると信じることができた。今まで彼があちこちで働いてきたところの人々からも、異口同音に“ケイゾーならベスト”という答えが返ってきた」

 スティーガーのコメントに対して、舟津さんはこう書いています。

「日本人である私にとってはふつうに働いていたつもりで、……アメリカ人にはそれが非常に誠実、勤勉というふうに見えたようである。
……いつも打算ぬきに、その日その日を悔いなきよう、何かを学ぶ姿勢で一生懸命取り組んできた姿勢が、知らぬ間に評価される形となったわけで、この姿勢は、忘れずずっと持ち続けたいものだ」

 南極横断をなしとげたのち、舟津さんはアラスカに移住してアイディタロッドやユーコンクエストなどの世界的な犬ぞりーレースに参加。優秀な成績を残し、世界的なマッシャー(犬ぞり使い)の仲間入りも果たしています。

つづく

(Web編集部S)