第2回 楽天的で大らかなコンゴの人々
――ムルアカさんのご家族は?
私は、10人兄弟の3番目で長男です。姉が2人、弟が3人、妹が4人います。両親も含めると12人家族。
――大家族ですね。
子だくさんの家が多いですね。そのほかに、私の家には親戚も大勢住んでいましたし、親戚でない子も暮らしていたから、全部で20人くらいいました。
――親戚が同居するのはわかりますが、親戚でない子がいるというのは?
私の父は船員で、コンゴ川を行き来して荷物を運ぶ船会社に勤めていました。だから、いろいろな田舎の土地に行くのですが、そこで孤児になって困っている子どもと知り合うと、家に引き取ってきて養うんです、家族同様に。そういう子が何人かいました。
――それは、ムルアカさんの家が裕福だからできたということですか。
うちはごく一般的なサラリーマン家庭です。食べるのに困ることはなかったですが、けっして裕福というわけではありません。親戚が一緒に暮らしている大家族の家はたくさんあります。どこまでが本当の親戚なのかよくわからないのですけれど(笑)。