第1回 チョンマゲの国、日本へ

 両親にも「そんな危険な国に行ってはいけない」と反対されました。どうしても行くと言い張ったら「街で人と目を合わせないように。とくに、男性と一緒に歩いている女性をじっと見てはダメ」と言われました。もし、トラブルになったら「男に刀で切られるから」と(笑)。

――そんな!

 日本と日本人に対しては、それくらいのイメージしかなかったんです、コンゴの人たちには。
 
 私も、日本人は誰でも空手や柔道、剣道など、何かしらの武道をやっていて、着物を着ている男の人を見ると、どこかに刀を隠し持っているんじゃないかと本気で心配したりしました(笑)。
 
 日本に来たばかりのころは、それまで持っていたイメージと実際とのギャップが大き過ぎて、戸惑うことばかりでした。
 
 空手の道場や日本語学校に通うようになって、だんだん気持ちが打ち解けてきましたけども。

――空手は、子どものころから習っていたそうですね。

 空手は9歳から始めました。でも、空手が日本の武術だということは、ずっとあとになるまで知りませんでした(笑)。
 
 空手の先生はコンゴ人だったし。昇段審査で日本の先生が来たことがありましたけれど。