第1回 チョンマゲの国、日本へ
――そこで不思議の国を見てやろうと。
そうです。コンゴが日本に見習うことはたくさんあるに違いないと思ったんです。でも、当時のコンゴには、日本の情報がほとんど入って来ていませんでした。
――大学を出て、すぐに日本に来たのですか。
いいえ、大学を卒業してから国営放送局に就職して、そこで半年くらい仕事をしてから日本に来ました。
放送局での仕事は、ジャーナリズムとモニタリングの担当で、国際情勢の分析をしていました。そこで日本の情報に少し触れることはありましたが、やはりわからないことだらけ。これは日本に行くしかないなと思ったわけです。
――で、日本に来てどうでしたか。
とにかく、恐かった。
――恐い?
当時、コンゴの人たちがイメージする日本人はサムライ。日本の人はみんなサムライだと思っている。