第1回 チョンマゲの国、日本へ

――ムルアカさんが来日したのは1985年ですね。日本ではバブル景気が始まろうとしていたころですが、日本に来ようと思ったのは、いつごろ、どんなきっかけからですか。

 日本に興味を持ったのは、高校生のころです。日本はアメリカとの戦争に負けたけれど、戦後わずか30年ほどで復興を遂げ、世界でトップクラスの工業国になった。そんなアジアの国があるという話を、高校の先生から聞いて、すごくびっくりした。それがきっかけです。

 それまで日本のことはほとんど知りませんでした。小学校の教科書に、日本の絵が載っていましたけれど、その絵の日本人は、チョンマゲ姿で刀を差していたんですよ。

 そのイメージがずっとあったので、日本が世界でトップクラスの工業国と聞いたときには、着物を着て刀を差したチョンマゲ姿の人たちが、ベルトコンベアの前に並んで作業している光景を想像していました(笑)。

 日本がコンゴとそう変わらない途上国だと思っていたんです。なのに、なぜ優秀な自動車や冷蔵庫がつくれるの?不思議でした。

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本誌2013年9月号でもコンゴ民主共和国にまつわる特集「キンシャサ 脈動するコンゴの首都」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。ぜひあわせてご覧ください。