海底火山が生んだ幻の新島
2013.08.28
- SEPTEMBER 2013 -
ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から
海底火山が生んだ幻の新島
伊豆諸島南部の海で1952(昭和27)年9月17日、海底火山の噴火によって新たにできた小島をカツオ漁船が発見。写真はその翌日、海上保安庁の巡視船「しきね」で観測された小規模な爆発の模様だ。この火山島は、発見した漁船にちなんで明神礁(みょうじんしょう)と名づけられた。
明神礁の調査に向かった「第五海洋丸」が、島の付近で消息を絶ったのは9月24日のことだ。大規模な噴火に巻き込まれたとみられ、乗船者31人全員が帰らぬ人となった。翌年の大爆発で島は水没したが、以後の海底火山調査には事故の教訓が生かされ、航空機やヘリコプターとの連携強化、自航式ブイや無人調査艇の活用などが進んだ。
写真=MAINICHI NEWSPAPERS/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE