第5回 ロボットは脳がなくても歩けるんです!

 二足歩行には、様々なテーマが詰まっている。特にメカ(身体)と計算(脳などによる情報処理)のせめぎ合いなど、これまで話題にしてきたことの中で中心的課題になるテーマも鋭く立ち現れる。そこで、飯田さんの研究室のひとつの柱である、歩行ロボットに立ち戻ろう。

 ブレインレス・ロボット。

 脳がないロボットと、飯田さんは言葉にした。

 言い換えれば、センサーからの情報をもとに計算し情報処理するコンピュータが搭載されていないということだ。

「大きな脳」ではなく「小さな脳」の分散処理で条件反射をたくさん重ね合わせ、成功したお掃除ロボットよりも、はるかにラディカル(過激、根源的)な発想だ。

「実は、センサーもコンピュータも何も入っていないんです。ロボットは、単に体の一部を前後に振ってるだけなんですけれども、それにもかかわらず、いろんなことができると。我々が最初にやっていた研究ではこういうふうだったんですね。見てもらうとわかるんですけど、やっぱり体のデザインが重要なんです」

 飯田さんが見せてくれた動画には、たしかに、体の一部を前後に振るだけで、しっかり歩いている不思議なロボットが映っていた。

「足」を前後に振るだけでいろいろな動きができる。(動画提供:飯田史也)