第5回 あえて付けた「深海」の二文字

 駿河湾に生息するタカアシガニ、これは食用にもされていますが、世界最大のカニとして知られます。昨年、そのタカアシガニを4体、イギリスのマーリン・エンターテイメンツ(Merlin Entertainments)という会社に納品しました。

 同社はシーライフ・パークという水族館を世界中で40館も運営している会社ですが、そのタカアシガニの巡回展示はオープン以来一番のヒットだったと言っていました。

 そんなふうに、世界をびっくりさせられる生きものが、駿河湾にはほかにもいろいろいるのです。

――水族館好きには「深海」の二文字が、もうたまらないところですね。

 それを名前に入れるかどうかは、ずいぶん迷いましたよ。

 でも、あえて付けちゃおうと。「深海水族館」と銘打ってしまえば、後戻りできないでしょうから(笑)。実際にフタを開けてみると、入館者は大人が多いんです。当初、3割は子どもと見込んでいたのですが、子どもの入館者はずっと少なくて9割は大人です。

――それもおもしろいですね。深海に未知への憧れがあるのかな。

 それはあると思います。加えて、ヘンテコな生きものが多いですからね(笑)。

展示中のタカアシガニ。最大の個体ともなると脚を広げて3メートル近くあるという(写真クリックで拡大)