第1回 これは画期的!“生物を模倣したロボット”

「本格的にロボット研究が始まったのは2000年の初めぐらいなんです。ロボット工学・自律システム研究所(institute of robotics and autonomous system)というのができまして、僕は2009年から「バイオ・インスパイアード・ロボティクス」の室長をしています。6個の研究室のうちの1つです。今、僕のところにいるのは、博士課程が6人と、あとポスドクが3人ですね。もちろん秘書さんやテクニシャン(技術補佐員)も。これが研究室で雇っている人たちですね」

 スイスでは大学院生以降は社会人であるという考えで、修士課程・博士課程の学生にも研究室から給料が支払われる。日本で、大学院生がもらう奨学金、ポスドクなどが日本学術振興会特別研究員としてもらう給料などとは少し違ったニュアンスのようだ。飯田さんによれば「かなりの額」であり、研究室の主宰者である飯田さんが様々なスポンサーからお金を引っ張ってくることになる。

「博士課程の学生さんたちですら、多分、日本で考えられないぐらいの給料をもらっているので、それなりに自覚を持って、責任を持って仕事をしてくれます。例えば、このプロジェクトのレポート書いてと言うと、ビシッとやってきてくれる。完全に独立した社会人なんですね」

 さて、このような研究室の主である飯田さんは、どのような研究の舵取りをしているのだろう。バイオ・インスパイアード・ロボットというのは、前述のとおり、生物に触発されて作られたロボット、ということ。それだけでは、分かりにくいので、ぼくは学生さんたちが、ロボットを作っているワークショップ(工作室)で、ちょっとした例を見せてもらった。

 カンガルーのようにジャンプしながら進む歩行(ホッピング)ロボット。