第1回 これは画期的!“生物を模倣したロボット”

バイオ・インスパイアード・ロボット研究室長の飯田史也さん。(写真クリックで拡大)

 部屋で待ってくれていた飯田さんは、背が高くがっしりした体格で、声もよく響く。自信と精気にあふれた気鋭の研究者。そんな第一印象だった。

「こっちにいると、日本人のロボット研究者が何でここでやるんだって、よく聞かれます。日本のほうが圧倒的に進んでるじゃないかと」というのが、最初のお話。

 ロボット大国ニッポンを飛びだして、わざわざスイスで研究室を構えていることを不思議がる人が、現地にはいるのだそうだ。

「確かに日本の従来のロボティクスの研究は、今まで蓄積されてきた技術だとかノウハウだとかが圧倒的に多いですからね。ものすごい数の研究者、専門家がいて厚みがある。その観点からいうと、世界でもずば抜けてるんですよ。でも、僕は若いうちに違う見方をしてみたくて、ロボット研究のために生物学を一からやろうと思ったんです。生物学では、やっぱりヨーロッパが圧倒的に、歴史的にも人材的にも進んでるところがあって、生物を見ながらロボットを考えるのにはよかったと思います」

 そんな飯田さんが率いる研究室とはどんな位置づけで、どんな成り立ちなのか。

 まず、スイスには州立大学はたくさんあるものの連邦立(国立)大学は2つしかない。2つとも工科大学で、そのうちのひとつがチューリッヒ工科大学だ。相対性理論のアルバート・アインシュタインが学んだ由緒ある大学でもある。しかし、ロボット研究の歴史はまだ浅いそうだ。