料理の美味しさに目覚めたガースさんは、大学に通いながらいろいろなパブやレストランで働いて料理の味を知り、腕を磨いたという。母の味の苦い思い出が根底にあるからこそ、東京在住のイギリス人たちが楽しみにする目黒タバーンのシェパーズパイが生まれたと言ったら、ガースママに失礼だろうか。

 「イギリス料理がまずいと言われるのには諸説あるけれど、私はグレイビーをちゃんと作らないのも理由のひとつだと思います。グレイビーはインスタントパウダーもあって、最近はほとんどの家がそれを使っている。祖母の時代はみんな作っていたけれど、私の母は手を抜いていたんですよ(笑)」

 そういえば、日本にも少し前の食卓には必ずうま味調味料があって、やたらとふりかけていたっけ。便利なんだけれど、全部似たような味になってしまう感は否めない。

 忙しい今の時代、楽さを求めてしまうけれど大切にすべき味があること、そしてイギリスにもこだわりの料理があることを知る一日となりました。

賑やかな雰囲気の目黒タバーン店内。毎週日曜日にはサンデーカーベリーの食べ放題も開催している(夏期を除く)

目黒タバーン
東京都目黒区下目黒1-3-28 サンウッド目黒ビル2階
電話:03-3779-0280
ホームページ:http://www.themegurotavern.com

中川明紀(なかがわ あき)

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。何事も経験がモットーで暇さえあれば国内外を歩いて回る。思い出の味はスリランカで現地の友人と出かけたピクニックのお弁当とおばあちゃんのお雑煮

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