第6回 イギリスの食卓に欠かせないソースとは
イギリスにロイヤルベビー、ジョージ・アレクサンダー・ルイ王子が誕生したのは7月22日のこと。うだるような蒸し暑さも一瞬忘れさせてくれた、おめでたいニュースだ。ビールを片手に、パブで祝杯をあげる人びとの様子をテレビで見ていると、ある疑問が頭に浮んだ。
「イギリス料理はまずいって言うけれど本当なんだろうか」
そもそも、イギリス人は普段どんな食事をしているのだろう。フィッシュ&チップスは有名だけれどスナックみたいだしな……などなど、気になり出したら止まらない。そこで今回は、イギリスのソウルフードを探す旅に出かけることにしました。
窓に掲げるユニオンフラッグに導かれるようにして入ったのは、東京・目黒にある店「目黒タバーン」。U字型のバーカウンターを中央に配した店内はイギリスの家具で統一されていて、ユーラシア大陸を飛び越えて一気にロンドンにやってきたような錯覚に陥る。
「タバーンは一言で言うと“食事ができるパブ”という意味です。東京には自分が行きたいと思う本格的なイングリッシュパブがなかったので、1998年にオープンしました」
そう話してくれたのはイギリス人オーナーのガース・ロバーツさん。本場の酒と料理を求めて、多くのイギリス人が訪れるこの店を切り盛りするガースさんに、ソウルフードは何か尋ねるとひとつの料理を出してくれた。
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