第3回 シードラゴンの全滅で築いた信頼

 リーフィーシードラゴンの件では、そこに手抜かりがあったと思ったから補償することにしたのです。今でも、ブルーコーナーは納入後24時間以内に生きものが死んだ場合は、全額を補償しています。

 シードラゴンが全滅したという知らせから2カ月ほどしてからですか。ボストンやロサンゼルス、シカゴ、ニューヨークなど全米各地の水族館からオーダーが入ってきました。

 つきあいのないところばかりなので、ある担当者にどこでブルーコーナーを知ったのか尋ねると「AZAに載っていたよ」というんです。AZAはアメリカ動物園協会で、その会員誌に載っていたブルーコーナーの記事を読んだそうなんです。

 リーフィーシードラゴンを死なせてしまった動物園の職員が、寄稿した記事です。希少で入手の難しいシードラゴンを納入し、しかもその損害を補償したブルーコーナーは信頼のおける業者だという内容でした。

 それがあって、海外からのオーダーが一気に増えました。今も国内の水族館より、海外の水族館との取引が多いですね。

――そうして信頼を築いた一方で、多様な注文に応じるには、採取する側のネットワークも大事ですね。そのへんをどのようにしているのかを次にうかがいましょう。

(つづく)

石垣幸二(いしがき こうじ)

1967年生まれ。静岡県下田市出身。2000 年に有限会社ブルーコーナーを設立。世界各国の水族館、博物館、研究室などに稀少な海洋生物を供給する仕事から「海の手配師」と呼ばれ、「情熱大陸」などのドキュメンタリー番組にも度々取り上げられる。2011年に沼津港深海水族館の館長に就任。著著に『深海生物~奇妙でたのしいいきものたち~』(笹倉出版社)など。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。