名もなきホヤ(写真提供:沼津港深海水族館)(写真クリックで拡大)

 ホヤの仲間なのに体が固くて、水の中で寝たり立ったりする。岩にくっついているわけでもないし、何を食べて生きているのかもわからない。一体、何者なんでしょうね(笑)。

――深海には、そういう謎の生物がまだたくさんいそうですが、謎の生きものといえばこの水族館の目玉、シーラカンスもそうですね。

 展示しているのは5体。3体は剥製で、2体は冷凍標本です。1980年代に、日本の学術調査隊が南アフリカのコモロ諸島で、現地と協力して捕獲したものです。その後、個人が所蔵していたものを買い取り、当館で展示することにしたのです。

――冷凍標本の展示は、世界的にも珍しいそうですね。

 国内でもホルマリン漬けの液浸標本を展示している水族館はいくつかあります。

 そもそもシーラカンスは、1991年にワシントン条約(※1)での規定が第2種から第1種に格上げされてから、商業取引が全面的に禁止されています。有料で展示・公開することも商行為になるのでできません。臓器標本の展示さえもだめです。

 ですから、標本を持っていたとしても、一般に公開できないものもあるんです。

――では、この水族館では、なぜ展示公開されているのですか。

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