――飼育も難しいんでしょうね。

 生態がよくわからないものが多いですね。ダイオウグソクムシも、2007年に私が初めて扱ったときは、日本の近海に生息するオオグソクムシの飼育環境を参考にしました。それしか飼育例がなかったからです。しかし、うまくいきませんでした。

 まず、適水温が違うんですね。オオグソクムシは18度まで大丈夫なんですが、ダイオウグソクムシは10度を超えるとだめ。それに光に敏感で、オオグソクムシは蛍光灯の光の下でも大丈夫ですが、ダイオウグソクムシは光が当たるとすぐに死んでしまう。

 生息する環境は、どちらも同じようなものなのになぜこうも違うのか、よくわかりません。

――沼津港深海水族館にしかいないという生きものもいるのですか。

 グソクムシの仲間で、メナガグソクムシというのがいます。10年以上、追い求めていたのですが、それがやっと駿河湾で捕れたんです。複眼がつながっているので「メナガ」の名がついています。これは水族館の展示では珍しいですね。

 それと何だかわからない生きものもいますよ。水深200m~300mの深海を再現した水槽にいるホヤの仲間です。たまたま捕れたのを、もう1年くらい飼っていますが、未だに名前がわからないんです。深海生物を研究している各研究機関に問い合わせてもいるのですが。

オオグソクムシ(左)の倍以上の大きさがあるダイオウグソクムシ(写真提供:沼津港深海水族館)(写真クリックで拡大)
複眼がつながったメナガグソクムシ(写真提供:沼津港深海水族館)(写真クリックで拡大)

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