第1回 深海水族館の謎の生きもの

――石垣さんが館長を務める沼津港深海水族館。入館して最初の水槽が、今大人気のダイオウグソクムシですね。

 あれはメキシコ湾の水深800mの深海で捕れたものです。ダイオウグソクムシは等脚類で、ダンゴムシやフナムシの仲間ですが、体長45cm以上にもなります。深海に棲む世界最大のダンゴムシです。

 水槽の上のスピーカーから、音楽が流れているのに気づかれましたか? あの音楽はダイオウグソクムシのテーマ曲です。

――テーマ曲なんてあるんですか、ダイオウグソクムシに。

 当館でつくったオリジナル曲です。
 ご覧になっておわかりのように、深海の生きものは光の届かない暗い海にいるので、水槽も暗くしてあります。それが、実は水族館泣かせなんですよ。

 水槽の中は明るくて、生きものが動いていたほうが、見る方は楽しいでしょう。水族館は生きものを見てもらってナンボの施設。ところが、深海生物の水槽は暗くてよく見えないし、あまり動かない。見せ方が難しいんです。

 そこで展示にいろいろな工夫をしているのですが、そのひとつが音楽です。生物の生態や生息環境をイメージした曲を6人の作曲家につくってもらったんです。

沼津港深海水族館内。水槽の前に立つと、生き物たちのテーマ曲が聴こえてくる(写真クリックで拡大)
ダイオウグソクムシの正面(写真提供:沼津港深海水族館)(写真クリックで拡大)