第51話 気高く美しいエリザベス様はムズかしい……。

 暖炉や薪ストーブはいい……。

 火を眺めていると、心が落ち着くし、少し煙り臭い薪ストーブの暖かさなど、どこか懐かしいノスタルジックな気分にさせてくれる。

 私の子供時代は石油ストーブが主流だったが、実は私は、あの点火するときの不完全燃焼の臭いが好きではなく、今も石油ストーブの使用は避けている。

 私にとって憧れの薪ストーブは、やはり、ユーコンストーブだ。

 ドラム缶を縦に切って鉄板を溶接し、その平らな部分で、フライパンや鍋を乗せて調理ができるようになっている。

 ゴールドラッシュの時代に作られるようになったもので、一攫千金を夢見た男たちで賑わったユーコン川流域にちなんで、ユーコンストーブと呼ばれている。

 古く錆びたドラム缶であればあるほど味があって、当時の男たちの声や、金で栄えた街酒場のカンカンダンスの歌などが聞こえそうで、見てくれなど関係ない粗野な代物だけれど、どこか夢がある。

 私はこのストーブが大好きで、何よりもやはり、暖をとるだけでなく、調理ができるのが女性としては嬉しい。

 火力は薪での調整なので、いろいろと不便なことも多いだろうけれど、このストーブを使いこなしてパンを焼いたり、肉を焼いたりするのが、私の憧れでもある。

 ところが、このミンチュミナのロッジに来て、私が一瞬にして一目惚れしてしまったストーブがある。