トップ・プレデターとは頂点捕食者、つまり、生態系ピラミッドの、てっぺんに位置する生物だ。

「生態系のバランスはボトムアップとトップダウンの両方によってコントロールされています。近年、トップダウンによるコントロールの重要性が指摘されています。たとえば、米国ではトップ・プレデターのクーガーが減少した結果、シカが爆発的に増えて植物を食べ続け、川の流れにまで影響を及ぼし、生物多様性の減少を招いたことが報告されています」

 そのトップ・プレデター、深海では何なのか。
 サメかな? 違いますか?

「ある種のサメがトップ・プレデターなのは間違いないでしょう。では、どんな種類のサメが、どれくらいの数、どれくらいの密度で生息して、どれくらいの速さで成長していくのか? 正確なところは誰も知りません。と言うよりも、見る術がないから、我々が意識の外へ置いていたと言った方がいいかもしれません。つまり、我々が見てきた深海底というのは、ライオンのいないサバンナのようなものだったんです」

 そう言われると、確かに深海ライオンの生態も観察したくなりますね。
 今なら、見る術があるということですか?

「ダイオウイカ、撮影に成功しましたよね。あんな風に、うまくエサを使ったり、性能が上がっているカメラを使ったり、ほかにもいろいろJAMSTECは技術を持っていますから、そういったものを駆使すれば、深海底のトップ・プレデターを、しっかり認識できるんじゃないかと思うんです」

 期待が大きくなりますね。
 深海底のトップ・プレデターが特定できると、何がわかりますか?

地上のトップ・プレデター、ライオン。ナショジオ2013年8月号で特集されました。本文とはあまり関係がありません(クリックすると特集ページが開きます)

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