File7 深海生物研究者 藤原義弘

第2回 深海生物はどうやって深海で暮らせるようになったのか

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 “外部”とわざわざ断るということは、内部共生もある。

 さて、さきほど名前が上がったヒラノマクラ、ホソヒラノマクラはどちらも、化学合成細菌と共生をしている。

 ヒラノマクラは、化学合成細菌と外部共生をしている。細菌はエラの表面に共生している。細菌はそこで、硫化水素などをエネルギー源として有機物を生成するので、ヒラノマクラはそれをエサとする。

細胞内に生物を取り込み進化

 ホソヒラノマクラは、化学合成細菌と内部共生をしている。細菌はエラの細胞の内部に存在している。

「内部共生の中でも細胞内共生といって、細胞の中の液胞の中、ここに、化学合成細菌を共生させています」

 自分の細胞の中に別の生物。ちょっとぞっとしますね。

「体の中に別の生物を入れるわけですから、ちょっと危険でもありますよね。それをうまくコントロールできているということは、内部共生をしている生物は、外部共生をしている生物より、進化していると考えられています」

 しかし、細胞の中に入ってしまった細菌は、硫化水素をゲットできるのでしょうか。

「硫化水素のように分子サイズが小さく、イオン化していないものは、細胞の中にも入りこめます」