第1回 アンデスの火祭り「ママチャカルメン」

 ペルーのクスコを訪れたとき、インティライミが行われていた。インティライミとは、太陽の祭りと呼ばれ、太陽に豊穣の祈願と感謝をする祭り。古来より行われてきたインカの儀式を再現し、雨期が終わり、アンデス山中に眩しい太陽が降り注ぐようになる6月に毎年行われている。

 この時期、クスコの街は世界中からの観光客で溢れかえり、賑わう。街の中心、アルマス広場ではアンデスの伝統衣装に身を包んだ踊り子たちが、サンポーニャという笛の響きに合わせて踊り、高台にある遺跡では、再現されたインカの儀式が行われる。

 南米三大祭りに数えられるインティライミは、規模が大きく、たいへん盛り上がる。しかし、どこか違和感がある。それは太陽に豊穣の祈願をするという本来の儀式の目的よりも、それによって観光客を誘致しようという意識の方が強いように思われたからだ。盛り上がっているけれど、そこに重みがなく、ひとつのエンターテイメントを見させられているような印象を受けた。

 もっと土着的で、本来のアンデスの姿を垣間見ることができるような、そんな祭りはないだろうか。そんなとき、立ち寄った小さな商店で、ある張り紙を見かけた。そこには近々、パウカルタンボという街で、ママチャカルメンと呼ばれる祭りがあると書いてあった。