夜はライオンの撮影にうってつけの時間帯。群れで狩りをする様子や、獲物を分け合う姿をとらえるため、本誌のベテラン写真家マイケル・ニコルズは赤外線を使ってモノクロ写真を撮った。近寄りたいときは、小さな車にカメラを据えつけてリモコンで操作した。「ライオンに敬意を払い、驚かせないように心がけました」とニコルズは話す。

――ダニエル・ストーン

レンズの裏側

――ライオンにかなり近寄って撮影していますね。

ニコルズ:ええ。びっくりするほど近いでしょう。子が成長する過程を、数メートルほどの距離から車に乗って観察したのですが、ライオンがいかに家族に支えられて生きているかがよくわかりました。同じネコ科でも、単独で生きられるイエネコとは違いますね。

――襲われたりしないか、心配ではありませんでしたか?

 とても奇妙な心理状態なのですが、襲ってこないと信じるしかありません。ただ、車から手や足を出すといった過ちを犯すと、攻撃されますね。襲われたら一巻の終わりですよ。あるとき、1メートル先にいたライオンが車内に入ってきそうになったことがありました。

――逆に、ライオンが人間を怖がっていると感じましたか?

 最初は不安を感じていますが、すぐに人間に慣れます。車を一つの物とみなし、中に人がいることはわからないようです。ライオンは無駄なことはしないので、身の危険を感じなければ襲いません。かなり接近はしましたが、それ以上のことはありませんでした。