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メキシコ・ユカタン半島のマヤ遺跡を調査。セノーテと呼ばれる聖なる泉と、ピラミッド「エル・カスティージョ」の謎に迫る。

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セノーテ マヤの聖なる泉

メキシコ・ユカタン半島のマヤ遺跡を調査。セノーテと呼ばれる聖なる泉と、ピラミッド「エル・カスティージョ」の謎に迫る。

文=アルマ・ギエルモプリエト/写真=ポール・ニックレン、ショール・シュウォーツ

 中米で栄えたマヤ文明。石のピラミッドを築き、精緻な暦を作ったマヤの人々は、セノーテと呼ばれる聖なる泉と洞窟に、雨の神チャクが宿っていると信じていた。
 今でもメキシコのユカタン半島では、農民たちが供物を捧げて神に祈り、雨乞いの儀式を行う。

 考古学者たちはここ20年ほどの間に、これらの洞窟やセノーテ、そして太陽の天頂通過といった現象に注目するようになった。
 マヤの人々の信仰や世界観に、セノーテはどのような役割を果たしていたのだろう。洞窟とセノーテが、雨の神チャクが住む異界への入り口だと考えられていたことはわかっている。だがその事実と、マヤ文明を代表する都市遺跡、チチェンイツァの建造物や都市計画との関連性は、最近ようやく解明され始めたばかりだ。

マヤの暦が告げるものは?

 かつてマヤの人々は、その名高い暦に狂いが生じないよう、太陽が寸分の誤差なく真上から垂直に照らす日を確認する必要があった。マヤの天文学者たちは年に2回、オルトゥン・セノーテの泉に入り、光の柱がまっすぐ水中に差し込む瞬間を待ったのだろうと、研究者たちは推測している。
 マヤの人々にとって、天文学は、建築や都市計画と同じくらい神聖な行為だった。

 マヤの世界観では、神々は一人ずつ次元の異なる世界に住んでいる。13層の天上界と9層の地下界だ。どの世界にも善良な神と邪悪な神がいる。そしてすべての神々が、マヤの人々に夢や幻、悪夢をもたらし、農作業や豊穣祈願のための暦を与え、日々の暮らしを厳格に律しているという。「雨神チャクが動きだした」と言えば、ここでは、まもなく作物の植えつけの時期が到来するぞ、ということなのだ。

 チャクが来ない、つまり雨が降らないと、ユカタン半島に暮らすマヤの人々はひどい干ばつに見舞われかねない。
 その恐ろしさは、かつてマヤ文明が栄えた大地に立ってみて初めて実感できる。カルスト地形のこの地には、石灰岩の地面が果てしなく広がり、雨が降っても地下に浸透してしまうため、地表には川の流れがどこにもない。

 上空からは木々が密生したジャングルのように見えるが、地上で目の当たりにすると、ここの熱帯雨林が貧弱であることがわかる。カルスト台地のくぼみにたまったわずかな土に根を張っているのは、か細い樹木ばかりだ。

 ユカタン半島で栄えたマヤ文明の都市国家は、なぜ滅びたのだろうか。その理由は、いまだ明かされていない考古学上の謎だ。この過酷な自然環境のもとで当時の人々がトウモロコシを栽培し、それを糧に生き延びていたということが奇跡のように思える。
 だが、豊作に恵まれる時もあれば、長い干ばつに苦しむこともあった。干ばつが長びくと、人々はセノーテに供物を捧げた。

 およそ1000年前、マヤ北部の人口は1000万人を超えていたとみられ、多くの都市が築かれた。水が乏しい北部では、必ずセノーテに近い場所が選ばれた。こうしてユカタン半島は、遺跡の宝庫となっていったのだ。

※ナショナル ジオグラフィック8月号から一部抜粋したものです。

編集者から

 13という数字に対して特にこれといったイメージもなかったのですが(映画「13日の金曜日」を思い出す程度)、マヤの人々にとって13は非常に意味のある数字のようです。13はマヤの世界観で言うところの天上界の数を表し、雨乞いの儀式に使用するトルティーヤも13という数字にこだわって用意されます。また古代マヤ人は宇宙が四つの隅を持つと考えたとか。壮大かつ謎に満ちたマヤの世界に触れてみてください。(編集M.N)

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