第5回 ウナギ取引は不透明 規制強化が不可欠に

台湾産シラスウナギは香港経由で

 ニホンウナギの国際取引もかなり不透明だ。養殖池に入れられたとする輸入物のシラスウナギの量に関する業界のデータと貿易統計の数字にはギャップがあることがしばしばだ。2007年に台湾が自国の養殖業者を守るためにシラスウナギの原則禁輸を打ち出して以来、台湾からのシラスウナギの輸入は、日本の貿易統計からは消えた。だが、その直後から代わりに香港から輸入されるシラスウナギの量が突然、跳ね上がった。これが香港経由で日本に輸出されている台湾産のシラスウナギであることは業界内では暗黙の了解になっている。

 水際での規制や管理がずさんなので、中国産を国産と偽って売る産地偽装が跡を絶たない。この7月12日にも、和歌山県内の業者が、仕入れたウナギの産地が中国や鹿児島県などだったのに、加工した約13万5千匹を愛知県産と偽り、大手スーパーを含めた小売店に販売していたことが発覚したばかりだ。

 ウナギの資源管理や消費者の適切な選択のために必要なトレーサビリティの確立にはほど遠い状況にあるのが、日本のウナギ取引と流通の現状で、水産庁などの取り組みもないに等しい。

シラスウナギ漁は管理できるか

 「シラスウナギの漁業は、大した設備もなく、簡単に参入できるプリミティブな漁業なので規制は難しい」というのが水産庁の言い訳だが、EUは厳密なシラスウナギ漁の管理を各国レベルで行い、今年は回遊量の60%を自然界に残すことを目指す、との管理目標を設定している。

 国内でも、シラスウナギの取り扱いに関する犯罪の防止を目的に、条例を制定した宮崎県の例がある。この条例は、シラスウナギの取り扱い業者に登録制度を導入、違反者には厳しい罰則が課され、登録が取り消される。漁獲されたシラスウナギは第三者機関が一括して管理し、入札によって価格を決めて養鰻業者に引き渡すという仕組みだ。