第5回 ウナギ取引は不透明 規制強化が不可欠に

 ワシントン条約事務局の貿易データベースを見ても、2011年にはヨーロッパウナギが大量にEU諸国から輸出され、中国などからも再輸出されていたとの記録があるが、12年には、ギリシャからの成魚と加工品の輸出がわずかにあったとの記録が残っているだけだ。

ヨーロッパウナギの不自然な輸入

 ところが日本の貿易統計では、今年の1月から5月の間に、フランス、モロッコ、チュニジアなどから成魚の輸入があったことが分かっている。中国から大量に輸入されるウナギの成魚や加工品の中にも、ヨーロッパウナギが含まれているはずなのだが、貿易統計では、ニホンウナギとヨーロッパウナギを区別していないので、判断することができない。

 今年の5月、水産庁はようやくニホンウナギの表示をそれまでの「ウナギ」から「ニホンウナギ」とするよう行政指導を行ったが、それまではヨーロッパウナギもニホンウナギも「ウナギ」と表示されるだけだった。この点からも両者を区別することは難しかった。

 条約の規制開始前のヨーロッパウナギはそろそろなくなっているはずだし、ワシントン条約のデータベースに登録されるまでにかなり時間がかかることを考慮したとしても、国内に依然としてかなりの量のヨーロッパウナギが流通していることは明らかに不自然である。

 環境保護団体、グリーンピースが丑の日を前に、イオン、西友、ダイエー、ユニー、イトーヨーカドーの大手スーパー5社に対して行ったアンケートでも、ワシントン条約などでの規制を理由にヨーロッパウナギの取り扱いを禁止し、今後も扱わないことを明言したのは、西友1社だけだった。

 ほとんど知らされることなく、日本人は今でも絶滅の恐れが高いとして原産国からの輸出が原則として禁止されているヨーロッパウナギを食べているということになる。