イトカワのような小惑星は、始原的な特徴を持ち、つまり、初期の太陽系の情報の宝庫かも知れない。

 では、始原的な初期の太陽系というのはどういうものだろう。

「年代でいけば太陽系ができた最初の数千万年です」と岡田さんは言った。

「惑星ができてきて、地球の月なんかができたのも、その時期の中に含まれます。月ができた最有力の説はジャイアント・インパクトと呼ばれるものですね。原始の地球に巨大な天体(火星サイズ)が衝突してものが飛び散り、やがてそれが集まって月が出来たと。はやぶさのような小惑星探査機がターゲットにしているのは、当時、互いにぶつかり合ってくっついたり壊れたりしていた中で、たまたま地球にも月にも他の惑星にも取り込まれずに残ったものです。そういうものは当時の色々な情報が残っていると。というか、出来てから現在に至るまでの情報が積分されて残っている、というイメージです」

「はやぶさ」は、そのような情報源から実物の岩石の欠片を持ち帰ってきた。顕微鏡で見なければならない小さなものだが、それでも多くの情報が引き出される。

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本誌2013年7月号でも太陽系にまつわる特集「太陽系 激動の過去」と「探査車が見た火星」を掲載しています。Webでの紹介記事は、「太陽系 激動の過去」はこちら。「探査車が見た火星」はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

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